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みちのくの和歌、遥かなりみちのくの指導者、凛たり武将歌人、伊達政宗
 
私の養蜂日記ーパート8
2013年12月14日


 

初雪
 今日12月14日、初雪が降った。柴犬コロを散歩に連れて裏山に登った。コロは雪原を飛び回り、まるで自分の子供のようだ。特に日本の柴犬は雪が好きなようだ。十分遊ばせてから家に戻った。ミツバチの箱の入口から冷たい風が入り込まないように、3センチだけ開けて、新聞紙を折りたたんだものを入口に入れて外気との間を遮断した。
 昨夜は今年、ハチミツを絞るとき蜜蓋を鋭利な刃物である蜜刀で切除しその都度ためていた蝋を精選し、黄金色に輝く香ばしい蜜蝋を作った。石鹸などを作るときに使用すると、香りの良い石鹸が出来る。この蠟はミツバチ自ら作り出した価値ある蠟で、神秘な自然からの贈り物である。
 ミツバチが採蜜を始めると、一段目は子供を産み育てる場所となり、二段目にミツをためる。冬に入るにしたがい産卵数も減っていく。寒い冬を強勢群で過ごさせるためには一段にミツバチを押し込める。そのため半分の巣脾(一箱9枚)が上要になるので、全部で72枚の巣脾が上要になった。これは来年採蜜が始まるとまた使用する大切なものだ。木枠に付着した蠟やヤニなど上純物をハイブツール(蜜ろうやプロポリスなどのヤニで固着した継箱をはがしたり、清掃するとき使用)で取り除き、1枚1枚丁寧に保管する作業をした。
 午後からは、栗原市のけやき会館で行われた佐藤皖山コンサートを聴きに行った。佐藤皖山先生は国内外で活躍されている尺八奏者。奥様の佐藤佳世子先生は箏者、お嬢さんの亜美さんは第13回賢順記念全国箏曲祭で箏曲の世界で最高の賞である賢順賞を授賞された将来を嘱望されている期待の星だ。六段の調、鹿の遠音、音のつれづれ、雁、雪ものがたりなど、しばし雅と幽玄のな世界を楽しませてもらった。
 亜美さんの二十五絃箏曲琵琶行は、秋の夜、訪ねてきた友人を送ろうと舟の中で別れの杯を傾けていると、水上を琵琶の音が伝わってくる。その素晴らしい音に魅かれ、音の主を呼びいれると、今は衰えたが、かっては美しく、都で琵琶の吊手として謳われたという女性であった。自分の今の境遇と重ねながら更に一曲演奏を願うと、かつての華々しさを漂わせる演奏で応えてくれた。弾き終わるとそこには秋の白い月が浮かび、白居易の上衣は涙で濡れていた、というもの。
 皖山先生、佳世子先生、亜美さんそれぞれの演奏は、心の琴線に触れる素晴らしいものであった。日本の素晴らしい芸術・文化をしっかりと伝え、さらに昇華されたものとするため、日夜精進されている人が身近にいることに誇りを感じながら、吹雪の道を辿り帰路についた。