トップページへ仙台藩最後のお姫さまみちのくの文学風土
みちのくの和歌、遥かなりみちのくの指導者、凛たり武将歌人、伊達政宗
 
2018年8月7日


 


 
柴田小学校6年生の皆さまへ
  先日は、楽しい時間を過ごさせていただいて感謝しています。
 元気な皆さんとお会いしたら、次の日から私はなんか元気になりました。若い皆さんのはつらつとしたエネルギーをもらったからだと思います。ありがとうございます。
 皆様方の感想文読ませていただきました。字も綺麗だし文章もとても上手ですね。
   私が皆さんぐらいの時は、日本は戦争に負けてみな貧しく大変な時代でした。小学校に入った時、まだ給食がなかったのでみなお弁当を持って学校へ通いました。でも、お昼時間になると教室からそーといなくなる友だちが何人もおりました。お弁当を持ってきた人たちが食べている時、目立たない所にいっていたのです。今でもその時のことを思い出すと、悲しい気持ちがします。でもいつか東京で同級会があった時、元気な顔でニコニコしているのを見て、「あー幸せなんだ《とうれしい気持ちになりました。
 その人のお父さんは戦争に行って戦死し、お母さんが育ててくれました。東京に就職していつもお母さんを大切にして「いろいろなものを送ってくれるの《とお母さんは目に涙を浮かべてうれしそうに話していました。その人は集団就職で中学を卒業すると列車に乗って東京に行きました。そして先生に自分がお仕事をする会社に連れて行かれました。
 そのあと自分の住む場所に案内されるけれど、今のように立派なアパートがあるわけではなく、だいたいは就職した会社の社長さんの家や側にある持ち家に住みながらお仕事をしました。でも昔の社長さんは偉かったです。どんなに小さな会社の社長さんでも、預かった子どもたちを大切にし、昼間仕事をしている人たちのためにある夜間の高等学校(定時制高校)に通わせました。だから中学を卒業してもみな高等学校は卒業しました。
 当時は貧しい時代だったけれど人間は強いものです。どうしてかというと一番貧しく苦しい時代を体験したからです。これ以上大変な事はないという気持ちだから、かえって人間は強くなるのですね。社長さんに認められその会社の社長さんになった人もいました。一生懸命に頑張ったのです。
 会津の人たちからたくさんの偉い人たちが出たのもきっと一番苦しい時代を、精一杯に生きたからだと思います。今は豊かな時代になりましたが、それはみんな頑張ってきたからだと思います。
 柴田小学校の皆さんは、いつも友だちを大切にしお互い高め合うように頑張ってください。皆さんには上可能という言葉はありません。毎日毎日を精一杯生きていくと、ひとりでに道は開けてくるものです
。  何よりも健康が大切です。心と体の健康です。
   それから常識です。加えて向上心。いつも今よりも高められた人を目指してください。そのためには先生のお話を良く聞き、本をたくさん読んでください。ゲームやスマホとにらめっこする時間があったら、図書室にいって計画的に沢山の本を読んでください。
 会津の旅で皆さんがまた一回りも二回りも大きく成長することを祈っています。
平成30年6月3日
仙台大学   伊  達  宗  弘