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みちのくの和歌、遥かなりみちのくの指導者、凛たり武将歌人、伊達政宗
 
2018年8月7日


 


 
上沼八幡神社創建960年記念大祭に寄せて
   荘厳な樹木に囲まれ悠久の時を刻み、多くの人々の精神的なより所、地域のランドマーク、鎮守の杜として親しまれてきた源義家公ご創祀にかかる上沼八幡神社が960年の記念大祭を迎えた。 戦争や飢饉、洪水などの大災害に見舞われた失意の人々の心のより所、祈りの場として、また心の転折をはかる場として生きる勇気と夢を与え続けてきた。
 960年の歴史を正しく継承し次代へ引き継ぎながら今日にその精神を伝えてきたのは、代々祭祀を司ってきた宮司やご家族とそれを支えてきた人々の力強い思いと協力があったればこそ実現できたのである。
 410年前、葛西・大崎一揆などで荒れ果てていたこの地に、水沢から移封された登米初代となる宗直らは、失意の中から豊かな国造りに果敢に挑むことができた背景には上沼八幡神社の果たした大きな役割があったればこそ可能だったのである。歴代館主が特別な思いでこの神社を崇敬してきたのは、初代宗直らの時代を生きた先人の血と汗と涙の結晶が豊穣大地・登米耕土を創り上げてきたのだという思いが脈々と伝えられてきたからではないだろうか。
 いま日本は大きな危機に直面している。国の進むべき方向が見失われ国力は衰退し多くの国民は夢や希望を失っている。  こうした時代だからこそいま一番大切なことは、次代を担う人たちに拠って立つ心の原風景をしっかっと伝えていくことではないだろうか。それがあって初めて自信と誇りを持って生きることができ、また堂々と世界に伊していくことができるのではないだろうか。
 960年大祭を大きな機会に、上沼八幡神社の果たしてきた役割や支えてきた先人に思いを馳せ、未来へ向け大きく飛翔していくことを期待し、これからも温かくまた力強く上沼八幡神社を支えていって欲しいと念願している。
 上沼八幡神社は鎮守の杜として多くの人々の心の原風景、地域の再生、日本人の心の再生のため大切な役割を今後とも果たして欲しいと念願し、私も微力ながらもお役に立てればと考えている。
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