トップページへ仙台藩最後のお姫さまみちのくの文学風土
みちのくの和歌、遥かなりみちのくの指導者、凛たり武将歌人、伊達政宗
 
願 い
2001年4月27日


 戦後50年、日本は荒廃した国土のなかから一歩一歩血の滲むような努力を積み重ね、奇跡的な復興を遂げ、今では世界有数の経済大国として、物質的な豊かさを享受しています。その一方で私たちは清く美しかったふるさとの山河を失い、先人が営々と築き上げてきた歴史や文化を無造作に忘れ去ってきました。

 子供の頃私たちは、清らかな川で魚と戯れたり、乱れ舞う赤トンボの下を大自然の恵みを受けながらより明るい明日を信じて元気に走り回っていました。今とは比較にならないほど貧しく、苦しい日々の生活でしたが、豊かな自然と温かく優しい大人たちに見守られ、伸びやかに幼い心をはぐくんできたのです。

 私たちの世代は、「あなたのふるさとは」と聞かれたとき、ふるさとについてしっかりと語り、その美しく豊かな山や川、心躍らす祭りや風情ある町並み、幼なじみの友の顔をすぐ想い出すことができます。

 大人になって、ふるさとを遠く離れる人もいます。しかし異境に暮らす人も、ふるさとで生活する人も、ともに私たちの世代の多くは、自分たちの精神的な基盤であるふるさとの原風景を、きちんと胸に刻み込んでいます。これは、たいへん大切なことです。生活や仕事に疲れたとき、あるいは困難に直面したとき、また挫折しそうになったとき、自分のふるさとを持っていることは、何よりも得がたい力の源泉となります。

 このみちのくに生まれ育ったからには、かりに生涯をどこで終えようとも、自分たちのふるさとみちのくがいかに香り高い歴史と文化をはぐくんできたか、次の世代の子供たちに正しく伝えていきたいと思っています。

 国際化や情報化が進めば進むほど、私たちは自分の拠って立つ生活の基盤である、ふるさとの歴史や文化を知り、それを心のなかに持ちつづけることが大切です。そうしてこそ初めて自信を持って、一つひとつの物事に対応していくことができるのではないでしょうか。

 このホームページは、そんな願いを込めて開きました。