トップページへ仙台藩最後のお姫さまみちのくの文学風土
みちのくの和歌、遥かなりみちのくの指導者、凛たり武将歌人、伊達政宗
 
2004年9月28日


  
雪ふれば冬ごもりせる草も木も
          春に知られぬ花ぞさきける 紀貫之
 二十世紀は戦争と紛争、死と破壊の時代でした。二十一世紀は「平和と協調」「生と創造」の時代にせねばなりません。
 「平和と協調」とは、あらゆるものとの「共生」です。人間中心のものの見方、考え方を根本から改めることです。人間もこの自然界の一員であることをしっかりと認識し、自然や動植物に謙虚な気持ちで接し、考え行動することが大切です。いま自然の価値が改めて認識され、自然回帰の指向が高まっています。
 「生と創造」とは、これらがともに均衡を保つように、地域そのものを継続的、安定的なレベルに「再生」させることです。従来見過ごしてきた地域のさまざまな面での潜在能力の再発見です。自然回帰を通して「生と死」とを見つめ、自然回復を通して地域の「誇りと安定」を確立することです。
 自然回帰の願望や自然回復の行動は、新しい文化を創造する可能性を秘めています。絶え間のない競争と人工的な環境の中で生活することに、多くの人がいらだちと不安をもつようになり、「豊かな社会」への疑問と簡素な生活への憧れが強まったのです。自然が本来持っている「癒し」の機能は、山里や湖沼や河川への憧れとなり、自然の治癒力によって心の再生を図ることの大切さも強く認識されるようになってきました。
 ここに住む人たちは、身近に「癒し」のある大切な環境の中で生活をしているのです。これを未来に引き継いでいくことこそ、私たちに課せられた大切な責務ではないでしょうか。( 登米祝祭劇場友の会会報から)