トップページへ仙台藩最後のお姫さまみちのくの文学風土
みちのくの和歌、遥かなりみちのくの指導者、凛たり武将歌人、伊達政宗
 
登米の家の四季
2007年5月6日


 
  
 19年前から「登米茶会」に合わせて4月29日、庭と屋敷内にある登米四代伊達宗倫廟(天山公廟)を一般の人々に公開している。荒れ果てた自然そのままの庭だけれども多くの皆さんが訪れてくれる。いまは日本桜草、イカリソウ、立金花が咲き誇っている。
 昨年屋敷内に大きな池を造ったが、その周りに日本桜草や立金花、そして水芭蕉を植えたら土地があっていたのだろうか。群生した。池にはサンショウウオやメダカが泳いでいる。時々綺麗なカワセミが現れる。獲物をねらっているのだろう。
 山の中の一軒家なのでタヌキやキジやリスが訪れる。最近娘が屋敷内でカモシカを見かけた。朝早く来る牛乳配達の人も同じ場所で見かけたという。北上川を挟んだ向かいの山にも現れるという話はだいぶ前に聞いていたが、最近川を渡ってこちら側にやってきたのだろう。自然が大きく変化しているのだろう。自然が豊かに残っているからとは言えない複雑な気持ちをもっている。子供達の時代はどんな時代になっているのだろう。
 そんなことを考えながら大文字草の株分けをした。たぶん池の周りに植えると良く育つのではと考えている。屋敷内の骨格樹木はブナと桂で、何十種類もの石楠花を植えている。ブナの木や桂の木も大木になってきた。わたしが植えた木なのでわたしも相応の年を重ねたということなのだろう。どんな木でも年を重ねると相応の風格が出てくるものだが、人間は必ずしもそうではないように最近強く感じる。
 九十四歳の母が一ヶ月前入院した。去年の暮れ頃から体調を崩した。それまでは自分の着物を自分で作っていた。急速に体力の衰えが目立つ。院長先生から急変の可能性を話された。いつかはくることと覚悟はしていたが。外の雨の音が深々と伝わってくる。深い暗い夜は更けていく。