トップページへ仙台藩最後のお姫さまみちのくの文学風土
みちのくの和歌、遥かなりみちのくの指導者、凛たり武将歌人、伊達政宗
 
「モンゴルからの賓客」
2007年8月29日


 

 8月27日夜、東北大の平川教授から電話があり「東北大学100周年の記念式典にこられているモンゴルの学術文化界のトップが、宮城県図書館を訪問したいということだが、明日はいかがか」と電話があり了解した。
 8月28日11時東北大学の岡教授に案内されて総裁が来られた。目的はモンゴルに日本でいえば国立国会図書館のようなものを建設することを検討しているが、出発する時、複数の人たちから「宮城県図書館を是非訪問するように」といわれ、それが本館訪問の直接の動機となったということを知った。思い当たることがある。ここ数年3月になると、モンゴルで情熱をもって日本式教育を行っている高等学校の校長先生が、20名ぐらいの生徒達を連れて本館を訪問する。
 生徒達は日本各地の大学を受験し、一段落し帰国を前への訪問である。彼らの目はきらきらと輝き、将来のモンゴルを立派な国にしていこうという意欲にあふれている。図書館内を案内したあと、昼食をともにし、出来るだけ彼らのヒントになる話しをするようにしている。
 明治時代の日本の国づくりに見せた指導者の見識、官吏がどうして国づくりのため清貧に甘んじ献身的に仕事に邁進しようとしたか、その大きなきっかけとなった西南の役などについてである。そのような明治維新に見習おうとしたアジア各国が、なぜ国づくりに失敗したかなどである。総裁のもそのような話を時系列的に話した。
 そして総裁には宮城県図書館が進めている「22世紀を牽引する叡智の杜づくり」について、この事業を進めている動機についても話した。大変感銘を受けられたようで、いまモンゴルの抱えている厳しい現実をお話しされていた。
 総裁から「是非、この話をモンゴルの人たち、特に次代を担う人たちに聞かせたいからモンゴルに来て欲しい。テレビなどへも出演して広く国民に聞かせたい」と招請を受けた。5月ごろといわれたが、突然のことなので、機会があったらと話しておいた。モンゴルで私が考えていることを講演するのも面白いか。でも、隣国のことを考えると舌禍問題になるか、いや私が何を話そうと問題視される立場や地位ではないから大丈夫と自問自答。
 また総裁には図書館が所蔵している高価なレプリカではあるが、「源氏物語」「古今和歌集」「平家納経」等をご覧いただいた。迷ったけれど「蒙古襲来図」を展示しておいたら、大変喜ばれ詳細に見ておられた。多忙な1日であった。

   。